高野山町石道 古峠から上古沢までのエスケープルート

高野山町石道は、慈尊院から高野山の壇上伽藍の大塔まで約22km、7時間程の長い道のりを歩く必要があります。健脚な方であればそれほど問題の無い距離かもしれませんが、我々の様にたまにしか歩かない者にとって、この距離を一気に歩くというのは中々にしんどいものがあります。

しかしながら、町石道へは慈尊院にある180町石からしか進めないというわけではなく、あちらこちらにアクセスルートが存在します。すなわち、その道を使えばエスケープルートにも早変わり。途中で切り上げて、後日また続きからチャレンジできるという懐の深いコースでもあります。

今回の山行では、高野山町石道のモデルコースの一つにもなっている、古峠から上古沢駅までのルートを使って町石道を途中で降りました。

和歌山観光情報サイト(公式)にも紹介されているルートですが、当ブログでもせっかくなので紹介しておこうかと思います。

参考:九度山駅(九度山町)~上古沢駅

今回歩いたルートの紹介についてはこちら。

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二ツ鳥居で昼飯を食べた後、古峠まで戻ります。下山する前に124町石の前で記念撮影。13:34分、上古沢駅に向けて下山を開始。

結構な急坂です。膝にくるのでストック2本体制で降ります。

下ってきた方向を古峠に向かって撮影。一気に標高を下げていきます。

鉄塔がすぐ脇にあったので寄ってみる。徒歩30秒ですw

まあ特に意味はないのですが、鉄塔好きとしてはやっぱり見ておきたいのです。

どんどん下ります。落ち葉が沢山落ちてますので結構滑りやすいです。

高野山ウォーキングガイドのマップにもランドマークとして記載されている小屋。もちろん見学します。

隙間から中をのぞいてみるが・・・なーんにも無い。

一通り見学した後、小屋を後にします。ここからもまだまだ急な下り坂が続く。

上古沢駅を記す案内板。いい塩梅で朽ちかけており、素晴らしい角度で首を垂れています。

この道しるべもいい味出してますね。丁度この付近に落ちていた相当古い空き缶(キャプテンクックのミックスネクター 株式会社ダイエー販売)を乗せておきました。風吹いたら落ちるでしょうけど・・。

写真ぶれてしまいましたが、こんな感じでつづら折れの急坂を下りていきます。

謎池。ポンプが設置されており、水をくみ上げることができる様子でしたが、今も稼働しているのかはわかりません。

謎池付近。時間に余裕があるのでまったりと散策しながら下山してます笑

杉林に囲まれた急坂をじっくりと降りていく。ここを過ぎると道は簡易舗装路に。

古峠~上古沢

人工物が増えてきました。

触れたらやばいやつです(かなりビリっときます)。私は過去、CRM50で山中を散策している際に、これが電気流れてるやつだと知らず、繰り返し感電したという痛い思い出があります。

当時は短パン半袖というアホアホな恰好で山中を散策することが多かったのですが、短パンで素肌がむき出しの足とこいつとが接触してしまいビリビリっと感電。最初はCRM50から電気的な何かが漏れてるのか?と勘違いし、また鉄線に足が触れて再び感電というのを3回くらい繰り返して、ようやく電気の発生源をつきとめました。忘れたくても忘れられない恥ずかしい過去です。

話が逸れたので本筋に戻ります。道中はいくつか分岐がありますが、看板通りに下れば迷うことはないです。この画像のポイントだけちょっとわかり辛くて、最初は左側(下り)に進みそうになりました。看板よく見るとそっちは「下古沢」。帰れないこともないですが、歩く距離が増えますので、予定通り上古沢方面(右側)を進みます。

果樹園のような場所にでました。案内看板あり。富山のアルペンルートのように左右の斜面が切り立って壁になっています。

これはこれで雰囲気があって楽しい道です。

目の前が開けて眺望が良い場所に出てきた。少し熱くなってきたので防寒用に羽織っていたカッパを脱ぎます。

水分&糖分補給と小休止をば。行動食はもちろんアルフォート。今回はバニラホワイトをチョイス。うまし!

小休止の後、再び歩き出します。右手に沢があり、水の流れる音が心地よい。

プチ滝がありました。名前は特に無いみたいですが、雰囲気良いです。「上古沢滝」と勝手に名付けておきます(笑)

古峠~上古沢 道中にあった小さな滝

 

上古沢の集落まで降りてきました。ここからしばらく歩くと上古沢駅の赤い屋根が見えてきます。

近いようでここからが意外と遠い。理由は後程。

国道370号線が目の前に見えてきました。いったん国道に降ります。ここで柴犬に遭遇。触ろうと近づくも我々と一定の距離を保ちつつ離れてしまう。近づけませんでしたw

かじかドライブイン。何度か横通過してますが、一度も寄ったことありません。飲み物でも買いに寄ろうかと思いましたが、電車の時間がちょうどいい頃合なのでやめておく。

国道を渡り、上古沢大橋を使って不動谷川の対岸へ。少し道が入り組んでますが、道しるべが沢山あるので安心です。ここで地元の方と少しお話し。今日の一日をねぎらって頂けました。温かいですね。

上古沢駅までの登り・・・ですが、何気に本日一番の急な登りですw

こ、これはきつい・・・。ゼェゼェ言いながら登ります。今日一番しんどかったのは間違いなくこの登りです。

(;´Д`)ハァハァ 言いながらも駅まではもう少しなので上る登る・・・。

一つ上であともう少しと言いましたが、あれは嘘でした。まだ続きます。

やっと見えてきました。今日一番汗を掻きましたよ。

14:50、上古沢駅に到着。古峠からは休憩時間を入れてだいたい1時間と20分くらいでした。ただ、途中で道草食いまくってたので、早い人なら1時間くらいで行けるんじゃないでしょうか。

先ほど歩いていた方向を拡大して。次回再挑戦の際は今回のルートを逆に登っていくことになりますが、あの急登を登り返すのは結構しんどそう。

 

上古沢駅。1日あたりの平均乗降客数は28人で、南海の駅全体では100駅中99位。ちなみに100駅中の100位は紀伊神谷駅で、過去に散策した記録があります。

関連記事:紀伊神谷駅

レポートを書いた当時は99駅中で99番目でしたが、今は100駅中の100位になってますね。どこかに一つ駅が増えてたみたいです。

尚、上古沢駅にも駅員さんが一人常駐しており、切符は駅員さんから貰います。降りる駅(今回は九度山で降ります)で精算する仕組みです。

トイレもあります。ありがたく利用させて頂きましょう。

駅から上古沢の眺め。眺望抜群です。ぼぉーっと1時間くらい眺めてられます。最近また頭が疲れてるんですよねぇ。。

ホームの様子。本数は1時間に2本ほど。時間ぴったりに上り下り両方の車両が入ってきます。世界一正確な日本の運行システム。万歳であります。

交換設備を備えた相対式2面2線のホームを持つ地平駅である。ホーム有効長は2扉車4両。山岳を経由しているため、ホームは傾斜面上にある。 駅舎は難波方面ホームの高野山駅寄りにあり(なお駅舎建物は、写真の通り傾いている)、反対側の高野山方面ホームへは構内踏切で連絡している。なお、のりば番号は設定されていない。 自動券売機はなく、乗車券は窓口で購入する。自動改札機は設置されている。この駅は、子会社の南海ビルサービスが駅業務を受託し、同社から駅員が終日配置されている。(wikipedia 上古沢駅より)。

対面(高野山方面)の様子。

電車を待つ隊員3号。鉄道関係にはさほど関心が無いのですが、それでも分かる気がするとは隊員3号談。

下古沢駅。こちらも上古沢駅と同様に1日の乗降人員は少ない様子。

九度山駅に到着。乗車時間は10分少々。5時間以上かけて歩いた町石道の道のりをわずか10分で戻ってきました。尚、本日は極楽橋駅から高野山へのケーブルカーが故障しており、終日運休になっていたそうな。

九度山駅から道の駅までの約1キロを歩きます。

15時半頃、無事道の駅 九度山に到着。丁度6時間程で戻ってこれました。

慈尊院~古峠~上古沢駅、そして九度山駅から道の駅まで戻ってくるこのルート。お手軽に町石道の雰囲気を体験することができ、また、余裕を持って安全に歩くことができるルートでした。ただし、古峠から駅までの坂道は全体を通して結構急なので、それなりに注意する必要はあります。


今回の行程。いつものルートラボです。九度山駅から道の駅までは約1キロ程です。今回は全行程の約1/3程を歩いただけなのですが、いずれまた、続きを歩きたいと思いますが、次回はどのルートから続きを歩くか悩み所ですね。

紀伊細川駅から矢立(やだて)を経て、高野山へと登るルートもオススメコースとして選定されているのですが、それだと二ッ鳥居~矢立間を歩く事ができません。かといって、今回下った上古沢駅~古峠までの登りを歩くのもしんどそうです笑。理想としては再度180町石からスタートして、一日で一気に登り切ることですが、それはまた考えることにします。

おまけ:南海高野線 上古沢駅

南海高野線 上古沢駅

おまけ:南海高野線 下古沢~九度山 車窓動画

南海高野線 下古沢~九度山 車窓動画
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