梯子と鎖だらけの大普賢岳に登る(和佐又山キャンプ場~笙の窟)の続きです。笙の窟辺りまではまだ余裕がありましたが、ここから大普賢岳山頂までは鎖場や梯子が連続する、非常に気を使う道中に変貌していきます。
鷲の窟を過ぎた辺りから、足場が険しくなってきます。ぱっと見ではどこが登山道だか見失いそうになるので、慎重に進みます。
テープを頼りに・・・岩場をよじ登ります。水気が多くて滑るんで怖い・・。
どこ進むねん!の図。よくみるとテープがあるのが分かります。この付近は滑落も多いそうなのでかなり時間をかけてじっくり登ります。
またまた岩場。ストックを閉まって両手を使って登ります。
鎖場。この付近ではまだ平坦な方なのでほっと一息つけますが、足場がぬかるんでる場所も多いので油断禁物。
ちょい休憩。ふと足下を見ると・・・落ちたらどこまでいくんでしょうか。
日本岳(文殊岳)のコルで休憩
午前7時頃に日本岳のコルに到着。登山口から1時間ちょいくらいでしょうか。鷲の窟からここまでの道中は、登りよりも確実に下りの方が危ないです。下山の際は特に注意せねば・・・。
木々に隠れた日本岳の方向を写す。一応踏み跡がありますが、あまり登る人はいない様子。
日本岳でしょうか?もちろん今日は登りません。体力と膝を温存します。
付近の様子。休憩するにはちょっと狭すぎて後からくる方々の邪魔になりそうだったので、水分補給後、すぐに出発。ここから体力の消費が激しくなります。
イイカンジの木の枝をゲット!ストックはありますがここからしばらくはコイツの世話になります。
急登。鈍った体から大量の汗が吹き出し、体内にたまった色々な毒素も抜けていく(ような気がするw)。
梯子。狭い尾根道の道中に連続して現れます。そろそろ太もも辺りがずっしりと重たくなってきました。
小さな梯子、スケスケの橋。危険な箇所もありますが、全体に渡って整備されてます。ありがたいな~。
ガスって来ました。あらー。ちょっと嫌な感じ。山頂登る頃には真っ白ガスの中・・?
石ノ鼻
日本岳のコルから15分程で石ノ鼻に到着。眺めが素晴らしいそうなのでもちろん見学します。
大台ヶ原方面。
日本岳。その後ろに大台ヶ原と日出ヶ岳?隊員3号が一つずつ山の名前と方向を説明するが、全然頭に入りませんw
日本岳(左端)、和佐又山(中央)と今歩いてきたばかりの稜線と壮大な眺めを見ながら休憩。贅沢な時間です。
石ノ鼻より行者還岳や七曜岳方面。ここ、本当に眺めが素晴らしいですね。紅葉の時期もさぞ素晴らしいはず。
行者還岳と七曜岳は隊員3号がソロで登ってます。ご興味のある方はレポートがありますのでご覧下さい。
弥山や八経ヶ岳もよく見えます。若干雲が出てきましたが、天気は大丈夫そう。暫く景色を楽しんだ後、石ノ鼻を出発。小普賢岳から大普賢岳へと至る、高低差のあるアップダウンに挑みます。
またまた梯子。途中で「くの字」に折れてる階段です。ここ、上から見ると階段の下側(地面)が見えなくて、空中に放り出されるような感覚になって怖いです笑
小普賢岳から大普賢岳へ
小普賢岳に到着。頂上はまだ少し登る必要がありますが、展望がほとんどないらしいので今回は登らず。
小普賢岳からは、せっかく稼いだ標高をまた下げます。しかも結構下ります。足場も悪いのでこれまた慎重に下る。
そしてまた登ります。角度が微妙なロング梯子は階段の様にして登りますが、太ももがあっつくなってきます汗
お次は角度の急なロング梯子。当然ですが、降りるときは非常に気を遣います。
今回はビデオカメラ持って行くのを忘れてたので、山で撮影した動画はこれだけでした。
足下スケスケの空中回廊。この足場がなかった時代、行者の方々はどうやって大普賢岳まで登ってたんでしょうか。そしてこんな場所にこれだけ立派な足場を整備してくれた方々の苦労も相当なものだったはず。
この橋から望む景色がまたスバラシイです。いいですなぁ。でも雲がちょっと多くて残念。
大普賢岳が頭上に見えてきました。あと一息で頂上!でも、実際はここからも結構長いです。
急な梯子と切り立った岸壁。
手積みの石垣。これは登山道が整備された際に作られたものでしょうか。
奥駆道との合流点に到着。ここを左に登っていけばいよいよ大普賢岳の山頂です。
大普賢岳山頂
午前8時13分、大普賢岳の山頂に到着!山頂までは約2時間の行程でした。
看板と三角点。標高は1779.9メートル。結構標高のある山です。
もちろん記念の一枚を撮影。最近購入したモンベルの「季節を待つ」シリーズのシャツには、「山の版画家」で有名な畦地梅太郎のプリントが。汗がすぐ乾くのでお気に入りです。
※ちなみに畦地梅太郎は母方の親戚だったりしますw
山頂の様子。アブがいっぱい飛んでます。じっとしてると噛まれるのでうろうろしつつも大休止。予定ではここで昼食でしたが、まだ時間が早く腹も全然減ってないので行動食のカロリーメイトだけぱくつく。
ガスってます。時折切れ目から稲村ヶ岳や山上ヶ岳、弥山、八経ヶ岳等が見えました。ガスが晴れるかも?と思い、しばらく粘りましたがガスは晴れず。天気が良いだけに残念ではありますが、これはこれで良い眺めです。
山頂の様子 その2。地図と方角を見ながら山の位置を確認する隊員3号。山頂で休憩していると、ソロの方がやってきたのでしばし談笑。大峰奥駆道を縦走している最中とのことで、この後七曜岳へと向かうそうな。テント泊しながらの縦走なんて憧れますが、私なんかが行けば遭難必至であります。
下山開始
1時間程十分に休憩したので、そろそろ下山します。結局昼飯は食べず。帰りに馬酔木 (あしび)で焼き肉を食べる予定に変更です。
さて、来た道をそのまま戻るだけですが、これまでの行程を見ても分かるように、確実に下りの方が気を使います。怪我無く無事に下山するまで気が抜けません。
小普賢岳を見ながらササ地帯を歩く。
大普賢岳と小普賢岳のコルで靴紐の調整を行う隊員3号。下りなのでちょいときつめに結んでおきます。
かなりモヤってきました。次来るときはガスの無い日になればいいなと。
急な階段。予想はしてましたがやっぱり下りの方が気を使います。そして、下る時の方が太ももに来る!変な力が入ってるのかも。
慎重に下る隊員3号。昔は仲間内から「ミスターどんくさ(どんくさい)」とか「くそもっこり」と呼ばれていましたが、これがまたなかなかの健脚。普段からトレーニングもしてるので、全然余裕だそうです。おっそい私の足にあわせて貰ってる上に、さらに写真撮影の枚数が多くてその度足を止めるので、ストレスたまってるかもしれません笑
えらく気に入ってしまった石ノ鼻に帰りも寄ります。名残惜しそうに山々を見つめる隊員3号。心地よい風にあたりながら、ここでも暫く休憩しました。
石ノ鼻から見える梯子。ここからは降りれませんので、少し戻って下山ルートに復帰します。
午前9時50分。日本岳のコルまで戻ってきました。ここからの下りが、今日一番危ないと感じたポイントです。ストックを締まって靴の状態を再度確認し、少し休憩。慎重に下ります。
ここからは撮影しながらは危ないので画像はここまで。行きで撮りたい場所の写真はすべて撮っていたので、ここからは歩く事だけに集中します。
大普賢岳の山頂より歩く事約2時間。午前10時55分に無事登山口まで戻ってきました。いや~後半は緊張して降りてきたのもありますが、梯子の連続で太ももパンパン、膝も熱をもってしまい、なかなかのやられっぷり。運動不足がモロに出ましたね。
一方、隊員3号はもう一往復できるくらいだそうで・・・鍛えんとあきませんなぁ。。
和佐又山キャンプ場でまったりする
大台ヶ原と和佐又山ヒュッテ。テントサイトに戻って大休止です。タープの下で飲み物とお菓子をぱくつきながら、再び目の保養にと和佐又周辺の景観を堪能。
大休憩後、テントやタープを片付け。来るときよりも綺麗にしておきます。周りでキャンプしてた方々はすでに片付けて旅立った後でした。またどこかでお会いしましょう。
早朝は涼しかったですが、やっぱり8月。気持ちの良い夏空が広がってきました。社会人の夏休みはもうすぐ終了ですが、学生はまだまだこれから。・・・社会人にも1ヶ月くらいの夏休み、もらえませんかね笑
帰り際にヒュッテにもう一度寄って、テントにくくりつけていたタグ(宿泊者と証明するためのもの)を返却。トイレもお借りします。ここは一度、ヒュッテへの泊まりで来てみたいですな。
ヒュッテの前に置いてあったチョイノリ。ナンバーが着いてませんが綺麗な車体です。おそらくヒュッテとキャンプ場内だけで利用してるんでしょうね。
ラスト:馬酔木で肉
帰りに寄った焼き肉 馬酔木。前々から一度食べたいと思っていたお店です。こちら方面の山に登った後に寄る方が多く、また、地元の方の憩いの場にもなっているため、いつも混雑しているそうです。今日は運良く?5分程待って席に座れました。
豚、牛、鴨肉等を注文。追加で上ロースも。うん、うまい!
ガンガン焼きます。肉の焼けるにおいで食欲も増進。山登り後のご飯はやっぱり美味しいすね。大満足です。
帰りに偶然見つけた大峰登山行場の一番目、鈴ヶ森行者堂の入り口。こっち方面に来た際はいつも帰りにガソリン入れる吉野大淀SSの手前にありました。大峰七十五靡(なびき)とはまた別の行場があるんでしょうか?
今回の行程
今までは動かせる地図としてルートラボを貼ってましたが、サイトのSSL化の影響でそちらを貼るとエラーが出て表示されなくなったので画像で貼ります。
今回は大普賢岳までのピストンを紹介しましたが、健脚な方であれば周回ルートが非常に歩きごたえがあり、見所もたくさんあって楽しいそうです。ただ、周回ルートは遭難者が出る程の難コースらしく、滑落事故も多いそうなので上級者の方同伴でないと危険です。我々も行ってみたいのですが、まだまだ修行が足りませんね。
でも、個人的にはピストンでもお腹いっぱい。かなり楽しめました。山頂付近がガスってたのが残念でしたが、道中は開けたポイントも多く、あちこちで素晴らしい眺望が広がっています。それだけでも十分でした。
次回はまた、地元の山を歩きたいと思います。