春日大明神前にて無念の途中帰還!岸和田方面ツーリング

※この記事は、過去フェロモンズにて掲載予定のままお蔵入りになっていたものに追記し、構成にも手を加えてシェルパーズ用に掲載したものです。トラブルにトラブルが重なるという、参加メンバー全員の脳裏に深く刻み込まれることになる、思い出のツーリングの記録です。


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プロローグ

高校生活も残すところ僅か。あとは卒業を控えるだけとなった2月後半のとある日。カラっカラに空気が乾燥した冬空の平日に、午後から急遽思い立って岸和田方面へのツーリングを慣行。目的地は特に無く、殆ど未開の地である岸和田の東方面を攻めてみようというものである。

・・・

学校から帰宅後、いつものように黒木兄弟(兄)家に集まっていたメンバー達。今日は何をしようか?と話し合う。結果、人数も集まってることなのでツーリングに行くことに決定!すぐに準備を整え、軽くバイク整備。今回はCRM50で出撃することにする。

アッキーは自分のバイクではなく、黒木兄弟(弟)がピッカピカに磨き倒して様々なカスタムを加えている、ご自慢のNS-1(98年式)を借りて出撃。尚、黒木兄弟(弟)がまだ学校から帰ってきておらず、勝手に鍵を拝借した次第であるが、これが後の事件につながることに・・・。

今回の真の主役(?)となるユタッチもNS-1(前期型 年式不明)に跨がり、さらに同じくNS-1のかっちゃん(前期型 91年式)とアズー@ZX(納車初日に畑に突っ込む)も加えての、5名で出発。NS-1が3台、ZXが1台、さらにCRM50が1台と、オールHONDA編成でのツーリングがスタートしました。

ツーリングスタート!

まずは国道26号線を泉佐野方面へ。いくつかのショートカット道を暫く走り、通称「外環」と呼ばれる国道170号線へと進路を変える。この付近をバイクで走るのは初めてだが、噂によるとスピード違反の取り締まりが厳しい区間とのこと。あらかじめその情報を全員で共有していたため、まったりとしたスピードで順調に距離を稼いでいく。

途中、熊取町、貝塚市を超え、岸和田市に突入。この付近へ来るのはもちろん初めて。「このまま走って行けばいったいどこに行くんだろう?」というワクワク&ドキドキで非常に楽しい。その思いは他のメンバーも同じで、テンションも次第に高まっていく。

トラブル発生

順調に走り続け、ついに和泉市突入!・・・のわずか手前で一つ目のトラブルが発生。阪和自動車道の橋桁をくぐると、目の前にはゆるやかな登りが。全員、登坂に備えて少しアクセルを開ける。・・・あれ?先頭を走っていたユタッチ@NS-1の様子がなんかおかしい??加速するどころか、どんどんと減速していく。

と、坂道を少し登ったところでユタッチのNS-1がエンスト。後続もそれに合わせて停止。幸い、すぐ脇に広めの歩道があったので、そこにバイクを停める。ガス欠か?一行に緊張が走る・・・。

交通量の多い幹線道路で突然のエンストに焦る一同。幸いにも、後続車の邪魔にならない場所にバイクを放り込むことができた。しかし、ユタッチのNS-1は一向にエンジンが掛かる様子がない。ガソリンはちゃんと入ってるしプラグから火花も散ってる。あれこれと見てみるがエンジンは掛からず・・・。エンジンの焼き付きならキックも動かないはずなので、抱き付きかピストンに穴が開いて圧縮漏れを起こしているかのどちらかと断定。

「さーて、どうすっぺやー?」となぜか田舎風の口調になるアズー。

復活を試みるも、持ってきていた工具だけではどうにもならず。そもそも動いたとしても地元から結構な距離を走ってきているので、自走で帰るのは無理ですな。ここから、ツーリングではなく「NS-1回収作戦」へとシフトしていくのでした。

回収作戦開始

さて、この後、如何にしてNS-1を我々の地元まで持ち帰るかを考えなければいけません。様々な意見に加え、時に詭弁が飛び交う中導き出されたる答えは、「アッキーに軽トラを運転してきてもらい、NS-1とユタッチを回収して家まで持って帰る」というもの。農家を営んでいるアッキーのおじさんが所有する軽トラがあることを我々は知っていたので、実はそこまで途方に暮れるほど深刻な状態ではなかったというわけです。

策が決まれば行動は早い。早速アッキーが黒木兄弟(弟)のNS-1に乗り、軽トラを取りに行く。往復でだいたい1時間ちょっとか・・・。

皆の夢と希望と期待を背中に背負い、颯爽と対向車線を走り去るアッキー。我々の目の前を通過する際には、余裕のVサイン。これを見て、今回の「NS-1回収作戦」の成功を確信。

ひとまず安堵する一同。アッキーを見送った後、ここで待ってるだけでは暇なので、この辺りを散策することにする。しかし、この後アッキーの身に本日二つ目のトラブルが・・・。そんな事を知るよしも無い我々。後に事件が発覚することに。

暇つぶしに付近を散策

国道170号線を少し戻った場所に、鳥居のある公園?の様な場所を発見。鳥居には「春日大明神」の文字。神社でしょうか?少し散策してみることに。

ゴミ箱に捨てられていた雑誌。ざっと読むも全然知らない漫画ばかりで興味なし。暇つぶしにならず。

奥の方にもう一つ鳥居が。山へと続く道のようなものがあるが、股間がぞわぞわする雰囲気があったので登らず。チキンな我々です。

公園散策にも飽きたので、飲み物でも買おうかと自販機を探しにまた歩き出す。画像は途中で発見したでかいマフラー。バイクには・・・当然装着できません。

やたらと不法投棄が多い道やな・・・と、こんな大木まで落ちてる!他にもプロパンガスやよく分からない鉄の塊等が捨てられてた。残念ながらバイクに使えそうな部品は何も落ちてませんでした。

ちょい大きめのミカンまで落ちてる。それを拾って遠投を試みるユタッチ。「80mは飛んだ!」と自画自賛の会心のスローイング!

自分で投げたミカンを拾いに行き、そこからこちらに投げ返してくるユタッチ。

えらい勢いで飛んでくるミカン(結構堅い)。誰が取るねん!と焦っていると、「オレに任せろ!」と勢い勇んで横から飛び出してくる影が!

一瞬の静寂・・・!

「ドスッ・・・!」と鈍い音と共に、指がちょっと変な方向に曲がる。この指の持ち主とは・・・?

かっちゃんでした。堅いミカンを素手で受け止めようとした根性はさすがですが、ちょっと無謀すぎた様子。

悶絶するかっちゃん。それを見てニヤニヤとにやけるアズー。大丈夫か?くらいの声かけてあげたらいいのに・・・と思うも、それを見て笑ってる我々も同じ穴の狢です。

普段キャッチボールで使ってる軟球よりも少し小さい。質量は全然こっちのが上で堅かった。※もちろんこの後、アズーが責任を持って美味しく頂きました。

何かを指さすかっちゃんと、相棒を(一時的に失い)少し寂しそうなユタッチ。

少し歩いた場所に自販機があったのでホットコーヒー等を購入。これはユタッチが購入したプリンジュース。ホットなプリンの汁て・・・。デビル味がしそう。少し味見したかっちゃん曰く「プリンを缶の中に入れてるだけ」とのこと。

歩き回って「良い運動になったかな」とアズー。再び最初に寄った公園に戻ってきた我々。ここにバイクも移動させてアッキーの到着を待つことに。日が暮れる前に自宅に帰れるんでしょうか。

英雄の帰還!しかし・・・

公園で時間をつぶすこと暫く。軽トラを駆るアッキーが戻ってきた!

歓喜し、アッキーを褒め称え、「英雄のご帰還だ!」と変なテンションで盛り上がる我々のテンションとは逆に、その英雄の表情がなんだか浮かない。

なんかあったか?!

なぜか口ごもるアッキー。粘り強い説得が功を奏し、ようやく重たかった口が開く。そして、衝撃の一言にテンションが上がりきっていた我々も一瞬で凍り付く・・・。

「途中で・・・
スピード違反で・・・
捕まった・・・」

え!?うそやん!行きしなに対向車線でスピード違反やってるの見てたやん!と誰かが言うと、

「ソノコトワスレテタ」

という片言の返事が返ってきた・・・。

この事態に、固まる我々。自分のバイクのことで迷惑をかけてしまったと、誰よりもテンションが下がるユタッチ(バイクも故障)。その事に関してまったく気にしていないと言いつつも、引きつった笑顔でユタッチを慰めるアッキー。地獄絵図にも似た、微妙で奇妙なやりとりがこの後暫く続いたことは言うまでもありません。

快くバイクの輸送を引き受け、最高のテンションで我々の前を駆け抜けていったあの場面が脳裏に浮かぶ。

スピード違反で捕まる直前の氏。気分はヒーロー。みんなの期待を一身に背負い、一刻も早くこの場所に戻って(リターン)こようとした善意の気持ちを、全て無に帰すこの仕打ちはあんまりではないか。・・・でも、スピード出す方が悪いに決まってますね(笑)自業自得です(←最低やなw)

・・・あまり詳しくは書くまいが、一発免停寸前でしかもどえらい罰金もこの後課せられたそうな。どれくらいかというと、「学生にとってこの金額は死刑宣告に近い」とだけ言っておきましょう。・・・原付のくせにどんなカスタムしてんねん、黒(弟)のNS-1・・・。

さて、これにて無事(?)本日の行程は終了。結局、目的地も決めずに走り出した今回のツーリング。最終到着地点は和泉市まであと数十メートルの場所。ここが今日の目的地ということにして、いつかまた、まだ見ぬこの先を目指そう!と心に決めて帰り支度を行う。

・・・

軽トラにNS-1を積み込み、ロープでしっかりと固定。助手席にユタッチが乗り込み、地元に向けてこの地を去りました。時間にして3時間に満たない短い時間やったのに、とても濃密な時間を過ごしたような錯覚を覚えた本日。

ユタッチの相棒であるNS-1の故障は痛かったが、実は一番痛かったのはアッキーのフトコロだったというのが今回のオチ。でも、「事故じゃなくて本当に良かった」と全員が思ったのは紛れもない事実です。

帰路にて・・・

ここからは軽トラに乗ったアッキーとユタッチだけの間で起こった出来事。ビデオカメラに録画された一部始終からその後の様子をお届けします。

国道170号線から国道26号線へ。ここから手渡しておいたビデオの録画がスタート。なぜかユタッチが運転してます(ユタッチも免許取り立てほやほや)。MTの軽トラは癖が強く、初心者には運転が難しいらしい。

ビデオ撮影はアッキー。気にしてないと言いつつも、やはり元気が無く口数も少ない。それでも険悪な雰囲気は無く、お互いに気を遣うやさしい世界(●モちゃうで♪)が展開されていました。

そんな甘美(?)な時間がまだまだ続くと思われた、次の瞬間・・・!

ガシャン・・・!!

「アッッーーーーーーーーやばい!!倒れた!!ストップ!!ストップ!!!」

バイクの固定が甘かったのか、右折した際にNS-1が倒れる!危うく交通量の多い道路にNS-1をばらまいてしまうところでした。

気合いを入れて・・・

引き起こし。今度は先程よりもさらにしっかりとロープで固定。どうやら右側からの引っ張りが足りなかった様子。

※ここから先は後日のユタッチ談より※

気を取り直して(固定もし直して)再び出発。引き続きユタッチ運転でアッキーは撮影係。しばらく走ると、今度はなんだか焦げ臭い。外から臭ってるみたいだが、それが何なのかわからず・・・。さらに暫く走る。やっぱり焦げ臭い。しかもさっきよりも焦げ臭い。これは一旦なんの臭いなのか・・・。

アッキー「やばい!!サイドブレーキ引っ張ったまま走ってる!!!」

・・・というわけで、結局はアッキーにとって踏んだり蹴ったりの一日だったようです。笑

色々あったが、なんとか無事(?)にNS-1輸送計画も完了。この後、どっと疲れが出てしまった二人でした。

〆のキャッチボールで汗を流す

一方、特に何もトラブルが無かった残りメンバー。まだ日があったのでキャッチボールにて軽く汗を流す。

学校から帰ってきていた黒木兄弟(弟)もキャッチボールに参加。事の顛末を話すと(勝手にバイク乗って行った事に対して)めっちゃ怒ってた。そらー当然ですな。

YOUも合流してキャッチボールに汗を流す。結局、アッキーはビデオカメラを返しに来ただけでそのまますぐに帰宅。やっぱりショックは大きかった模様。

入念な投げ込みを行うかっちゃん。得意球のスローカーブが冴え渡る!

「マウンドから投げてる感覚になる!」と、畑から50cm程高い農道の上からキャッチャー目がけて投げ込みを行っていた黒木兄弟(兄)。脳天気に投げていると・・・

勢い余って畑に転落する眼鏡。何かの天罰が下ったようです。

・・・

!これにて終劇!

今回の行程はいつかリベンジを予定!待て、次回!

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